現在はフリーランスとして中小事業者の方々のお手伝いをしています。
2020年4月~2021年3月度は、新型コロナウイルスの影響で国や地方自治体が多くの支援策を
実施しましたが、うまく活用できましたか?
支援策の一つである補助金や助成金を活用する事で、サーバーやソフトウェアを導入しやすくなります。例えば、毎年度実施されている「テレワーク助成金」を活用すると、シンクライアントサーバーの導入やリプレイスにかかる費用を大幅に圧縮可能です。
補助金・助成金活用支援を何十件も行った経験から、お役に立てるかもしれない情報を発信します。
★補助金・助成金を活用する際に心掛けていただきたい事
まずは、補助金・助成金を活用する際のお願いです。
投資計画をしっかりと立てて、早い時期に余裕をもって申請を行うようにしてください。
大事な事なのでもう一度言います。早い時期に余裕をもって申請を行いましょう!
経営計画・投資計画の策定は非常に重要です。
絶対とは言い切れないですが、基本的に補助金も助成金も「早くやった方が有利」です。
毎年実施されているものに関してはそうでもないのですが、新設された補助金・助成金や
臨時で行われる補助金・助成金はその傾向が強く出ます。
どれだけの申請があるかを国が予測しきれていない事が多々あるので、予算が途中で
なくなってしまうんですね。では予算がなくなるとどうなるでしょう?
★予算枯渇の悲劇:補助金の場合
まず、補助金の場合は採択率が下がります。
例えば、非対面型対応やテレワーク導入に要する費用の4分の3を補助する「小規模事業者
持続化補助金(コロナ特別対応型)」の場合、初めの頃は非常に採択されやすかったのですが、
途中から急激に狭き門となってしまいました。
・小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)
第1回 申請数: 6,744件 採択数 5,503件 採択率81.6%(採択:4件)
第2回 申請数:24,380件 採択数19,833件 採択率81.3%(採択:4件)
第3回 申請数:37,302件 採択数12,664件 採択率33.9%(採択:3件/不採択:2件)
第4回 申請数:52,529件 採択数15,421件 採択率29.3%(採択:5件/不採択:1件)
※カッコ内は私が支援した案件の実績です。参考資料としてご覧くださいませ。
第1回と第2回は採択率が80%を超えており、申請書の作成を支援する立場としてはとても楽勝な
補助金でした。第3回以降の採択率は約30%と大幅に低下しており、私が支援したもので不採択に
なる案件も出てきました。
なお、第4回で唯一不採択となったのは、まさかの「株式会社インフィニティ」でした(笑)
大畑社長、ごめんなさい…。でも、第2回までだったら大丈夫だった気がします。
採択率が約30%まで下がってしまうと、書き手のスキル、投資案件の適格性、時の運の全てが
必要なんです。
こうならないように、早い時期に余裕をもって申請を行いましょう。
仮に不採択になったとしても、次回以降にも申請する事で採択される事は結構ありますので!
★予算枯渇の悲劇:助成金の場合
助成金の場合、何の前触れもなく申請が締め切られます。
補助金よりも救いがありません…。
例えば、いつもなら予算が余る「テレワーク助成金」ですが、今年度は予算切れでお盆前に
締め切りを迎えてしまいました。
背景には、助成金額の上限を2倍(150万円→300万円)にした事、助成を受けられる条件が
緩和された事があります。(新型コロナウイルス対策の特例です。)
予算が枯渇する事はある程度想定していましたが、想像以上に時期が早かったので、テレワーク
助成金を活用してシンクライアントサーバーの導入をできなくなった案件がありました。
他の助成金を3つ組み合わせてテレワーク助成金に近い金額を確保できそうですが、事業者の
方にかなりの手間をかけさせてしまう事となってしまいました。
助成金はまさに「早い者勝ち」なので、シンクライアントサーバーのリプレイスなどの計画が
あるようでしたら、早めに動かれる事をお勧めします。
来年度も新型コロナウイルスの影響で多くの補助金・助成金が出てきます。
特に「事業再構築補助金」という大型補助金に注目が集まっており、私も周囲の専門家も多くの
問い合わせを受けています。
1兆円を超える巨額の予算が計上されていますが、申請多数で激戦になるかもしれませんね。
後日改めてご紹介したいと思います!
【寄稿者】
株式会社オフィスむしか / 虫鹿 真司(むしか まさし)